一戸建ての事故物件とは?
一戸建ての事故物件とは、具体的にどのような物件のことを指すのでしょうか?
また、一戸建ての一軒家を売却することはできるのでしょうか?
一戸建ての事故物件とは?
まずは一戸建ての事故物件とは、そもそもどのようなものなのかについて解説します。
事故物件は、大きく分けて3つに分類することができます。
・心理的瑕疵(かし)のある物件
殺人事件や自殺・孤独死など、居住することが心理的に敬遠される物件。
他に、暴力団や過激な宗教施設の隣に位置している場合や目の前が墓地の物件など。
・物理的瑕疵(かし)のある物件
シロアリ被害や床上浸水・雨漏りなど、物理的に欠陥のある物件。
・法律的瑕疵(かし)のある物件
現在の建築基準法を満たしておらず、建て替えのできない物件など、法律的に問題のある物件。
一口に「事故物件」といっても状況や事情は様々ですが、購入者からすれば基本的には事故物件は避けたい物件です。
購入者が、どの程度「避けたい」と思う事情であるかによって
売れやすさや価格は異なりますが、一般的な不動産よりも売れにくい物件であることは確かです。
一戸建て事故物件の売却を目指す場合には、通常よりも価格を安くして売却を目指すのが一般的です。
一戸建て事故物件の売却相場
冒頭で紹介した通り、一戸建ての事故物件の相場は一般の中古物件と比べて3~5割安くなります。
しかしながら、これはあくまで目安であり、事故の内容やリフォームの状況によっては、高めに売れる場合もありますし、反対に、もっと安くなってしまう場合もあります。
また、事故物件には告知義務があり、事故物件であることを相手方に伝えずに販売した場合には、損害賠償請求や契約の取消しに応じなければならなくなります。
例えば、一戸建てを取り壊して更地にしたり、建て替えをしたりしても、告知義務は継続するので、事故物件として手続きを進めるしかありません。
それらを踏まえれば、希望の金額でスムーズに売却手続きが取れる場合には問題ないのですが、そうでない場合には様々な工夫をしないと、いつまでも売れ残ってしまう状況に陥ってしまいます。
では、どのような方法がとれるのか?
次の章で詳しく解説します。
一戸建ての事故物件を売却・運用する方法とは?
一般的に、相場よりも安くなってしまうからといって「売れさえすれば良い!」と考えるのはおすすめできません。
せっかくなら少しでも高く売れるように、あるいは結果に満足できるように、進めていただきたいものです。
この章では、一戸建ての事故物件を売却・運用するための方法を4つ紹介します。
不動産業者の仲介による売却
一般的な不動産と同様に、不動産業者の仲介で売却を目指す方法です。
メリットは、買取希望者が現れた場合には、最も高額を得られる可能性が高いことです。
しかし、仲介での売却については、以下の注意点があります。
・買い手のニーズが少ない場合、いつまで経っても売れない
・リフォームやハウスクリーニングなどの手間・費用を自分で負担しなければならない
・最終的な取引先が個人になることが多いので、契約トラブルが発生する可能性がある
一般的な不動産売却の場合には、仲介による売却が多いのですが、事故物件の場合には、ややリスクが大きいといえます。
事故物件専門の不動産会社への売却
不動産業者の中には、事故物件を専門に取り扱っている業者もあります。
こうした専門業者は、事故物件を直接買取してくれます。
事故物件を専門に取り扱っているため、リフォームやハウスクリーニング、その後の運用などもすべて一任することができ、一般的な不動産業者よりも高値で、買取をしてくれる業者が多いです。
事故物件専門の不動産業者に一軒家の買取を依頼する場合の注意点は、以下の通りです。
・業者の選び方によって価格や対応に差が生じる
こうしたリスクに備えるには、事故物件に特化した一括査定サイトなどを使って、見積もりを依頼することです。
一括査定をすることで、最高値での買取をしてくれる業者に、安心して買取を依頼することができます。
賃貸物件として運用する
一軒家を中古物件として貸し出すのではなく、賃貸物件として運用する方法もあります。
あくまで一般論ですが、不動産購入よりは賃貸の方が、事故物件に対する心理的な負担は小さくなります。
周辺の状況にもよりますが、周辺よりも家賃が安ければ、入居してもらえる確率が高くなります。
賃貸物件として運用する場合には、以下の注意点があります。
・賃貸の管理や集客をするには、知識やノウハウが必要
・管理をするには手間や費用がかかる
・賃貸の場合でも、事故物件の告知義務はあるので、周辺の賃貸物件よりは相場が安くなる
駐車場として運用する
事故物件を取り壊して駐車場として運用する方法もよく取られます。
例えばコインパーキングの場合、利用者に対していちいち事故物件であることを告知する義務はないので、駐車場の場合には、事故物件であることのデメリットはほとんどなくなります。
また、駐車場として数年間運用してから改めて一軒家を建て直す、という方法もあります。
一度駐車場にしたからといって、告知義務が消滅するわけではありませんが、時間の経過により心理的な敬遠が和らぐことや、周辺の方の記憶が薄れることなどから、事故物件が売れやすくなる可能性があります。
駐車場として利用する場合の注意点は以下の通りです。
・立地によっては駐車場のニーズがない
・一軒家の取り壊しに費用がかかる
・駐車場運営にはノウハウが必要
事故物件の一軒家を整理するならまず専門業者へ!
4つの方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますが
事故物件を売却しようとする場合、どのような行動を取ればよいでしょうか?
「4つの方法については分かったけど、結局自分はどのように行動すればよいのか分からない」
という方もいらっしゃることでしょう。
「これが正解!」と呼べるものはないのですが、最もおすすめする方法は、専門の不動産業者に査定や相談をすることです。
というのも、4つの方法の中で唯一、専門業者への相談だけが業者に手間を一任できるからです。
残りの3つの方法と異なり
・どこをどの程度リフォームすべきか?
・どのリフォーム業者・工事業者に依頼すべきか?
・工事をした場合、採算は取れるのか?
といったことを心配する必要がありません。
しかも、契約が成立すればすぐに手続きが完了し、売却後の手間も一切ありません。
ですので、事故物件という特殊な状況の物件においては、専門家に一任することが大きなメリットとなるわけです。
まとめ
一戸建ての事故物件は、事故が起こった部屋をそのまま利用する形になるため
整理する際にも工夫が必要です。
例えば売却をする場合、ハウスクリーニングやリフォームをすることで「事故」の痕が目に見えないようにすることが不可欠です。
あるいは、賃貸物件や駐車場として運用するといった方法を取る方もいらっしゃいます。
しかし、リフォームや運用の変更には費用が掛かり、リスクも伴います。
事故物件専門業者に買取を依頼する場合には、現況のまま売却することができるため、売り主側でのリスクは小さくなります。
一戸建ての事故物件の整理を考えている方は、まずは買取専門業者に、査定見積もりから依頼されてみてはいかがでしょうか?
その際には、複数の業者にまとめて査定を依頼できる、一括査定がおすすめです。
監修者:ドウスル株式会社 代表取締役 村田 大介