地代の目安
土地を借地として貸している場合、地主さんは借地人から地代を受け取ることができます。この地代は借地権契約の根本的な要素となっており、地代の支払いが滞っていると借地契約の解除となりうる場合もあるので借地権者としては注意が必要です。
そして、地代の相場がいくらぐらいなのかは借地権者・地主ともに気になる部分です。しかし、不動産というのは、その1つ1つの物件で全て異なり、土地の利用状況や物件所在地、坪数などによっても変わる為、一概に相場がいくらになりますとは言いづらいものです。また、地代は原則的に地主と借地権者側の取り決め・合意に基づいたものとなります。なので、同じような地域であっても、借地権の契約内容によっては地代にも差が出てくる可能性がございます。
慣習としては、土地の固定資産税・都市計画税の3~5倍程度となっているようです。裁判の判例においても同様の金額を地代設定として認めたものがあります。
他にも、差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法といった4つの手法で適正な地代を算出するやり方があります。適切な地代を知りたい場合は、不動産鑑定士などにご相談されることをお勧め致します。
相続などで代替わりし、地主と連絡がつかない場合
上記でも記載をしましたが、地代の支払いは借地権の契約において根本的な要素となっており、地代の支払いが滞っていると借地契約の解除となりうる場合があります。地主さんとトラブルを抱えており、地代の受け取りを拒否されてしまったり、地主さんが代替わりをしていて連絡がつかない場合などは、法務局に供託することができます。
供託とは国の機関である「供託所」にお金を預けることで、地代などを「支払ったこと」と同じ効果とすることができる制度です。手続き方法などについては、以下法務省のページに記載されています。
法務省:供託の仕方
地代の増減請求権
借地権契約において、地代の設定が為されると一定期間はその額で固定される形となりますが、契約から10年・20年と経過してくると土地に対する租税その他の公課の増減、土地価格の高低、近隣の地代賃料などと比べて不相当であるようになった場合、当事者は賃料の増額または減額を請求することができるとされています。(借地借家法11条1項本文)
基本的には、借地人側と地主側の話し合いによって折り合いをつける事なりますが、話し合いがまとまらなかった場合は、訴訟を提起する形となり民事調停の申立てをしなければなりません。結論が出るまでは、以前から支払い続けてきた相当地代額をそのまま収める形となり、地主側が受け取りを拒否した場合などは、法務局の供託を利用し債務不履行とならないようにします。
和解が成立しない場合は、最終的に裁判所の判決により、相当な賃料が定められ、決定するまでの間に支払った地代と新しく決定した地代に差額がある場合には、年1割の利息を付けてお互いに精算する取り決めとなっています。
監修者:ドウスル株式会社 代表取締役 村田 大介